つなぐproject -病気を持つ人と研究者をつなぐChallenge-

  • 病気を持つ人と研究者をつなぐ

病気になること、それ自体は珍しいことではありません。

しかし、現在ではまだ治療法がなく、その病気と長く、うまく付き合っていかなくてはならない人にとっては、病気とどのように向き合うかはとても大切なことです。

患者さんにとって、自分の病気の現実を見つめるだけであった視点を、病気の未来-「治る」-につながる道筋を見つける視点に移すことは、病気への向き合い方を大きく変えます。

病気があっても希望を持って日々の暮らしを送ることができるよう、「治る」への道筋をきちんと見据えることができるよう、「病気を持つ人」と「その病気の治療法を研究している研究者」をつなぐprojectを始めました。

トラウムのCSR つなぐprojectでは、病気を持つ人と研究者をつなぐことにチャレンジしています。 

このつなぐprojectに、尾白登紀子が取り組みます。

自分自身も病気を抱えていること、学生時代に細胞生物学を学んだこと、社会人学生として科学技術ジャーナリストについて勉強したことを生かして、患者さんの視点、研究者の視点、社会の視点を横断しながら、お手伝いしたいと思っています。

研究室訪問5 東京大学分子細胞学研究所 宮島研究室  -iPS細胞から膵島をつくる-

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宮島先生のご研究を初めて知ったのは2011年11月。文科省の主催するシンポジウムのポスター展示の会場で研究員の渡邊さんからお話を伺ったのが最初でした。その後2回、ポスター展示で研究の説明を受け、着実に研究が進んでいることを実感していました。そして、ようやく今回の研究室訪問が実現しました。

 

何といっても驚いたのは、iPS細胞から膵島をつくるためには、何か特別な遺伝子を入れるのではないということです。受精卵から始まる発生の過程を順にたどっていき、膵島をつくるということです。

普段私たちがメディアを通じて知っていることは、研究のほんの一端です。病気が根治する日を一日でも早く実現するために、患者も再生医療の現実を正しく理解することからはじめる必要がある気がします。

 

1.患者が研究者に自分たちの病気を語る(IDDM患者 橋本)

2.研究者が患者に研究を語る

3.臨床応用に向けての協力体制 (宮島教授)

4.質疑応答

 

研究者:宮島篤教授、道上達男准教授、渡邊亜美研究員、小高晃弘大学院生

訪問者:患者6名、患者家族3名

記 録:尾白登紀子    写 真:勝又ひとみ、嘉瀬勇

 

シンポジウム報告2  「CiRA上廣倫理研究部門開設シンポジウム」にパネリストとして登壇された正木英樹研究員の発表から

研究における生命倫理の視点

正木 英樹

(東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センター研究員)

  「CiRA上廣倫理研究部門開設シンポジウム(2013年7月26日)」に  正木研究員がパネリストとして登壇されました。研究室訪問4のときにiPS細胞を顕微鏡でのぞかせて下さった方です。

今回は正木研究員のお話を、生命倫理の観点から整理してアップしました。発表のスライドの一部を、正木研究員のご厚意で掲載させていただいています。

 

研究における生命倫理の視点

 

シンポジウム報告1  CiRA上廣倫理研究部門開設シンポジウム  八代嘉美准教授 講演

患者と研究者をつなぐ

2013年7月26日に京都大学で開催された、「CiRA上廣倫理研究部門開設シンポジウム」における八代先生のご講演の個人的な覚え書きです。シンポジウムに参加できなかった方のご参考にアップします。患者にとっても、再生医療の実現のためには生命倫理の問題は避けては通れません。心の中にひっかかっている気持ちを整理するためにも、患者も生命倫理に向き合う時期に来たと思います。

 

※八代先生は、中内先生がサイエンス・コメンテーターとして紹介して下さった方です。

 

『伝えることからはじめるiPS細胞の時代』

八代 嘉美 特定准教授(CiRA上廣倫理研究部門)ご講演の覚え書き

 

研究室訪問4 東京大学医科学研究所 中内研究室  -iPS細胞から臓器をつくる-

1型糖尿病患者 と 研究者をつなぐ

 「私たちの病気は、治すことができないの?」 慢性の病気を抱えている患者さんなら、一度は思ったことがあるでしょう。私たちはインスリンを自分の体内でつくることができない1型糖尿病の患者です。その私たちが根治に繋がる研究の現状を知るために、先進的な研究を行っている先生への訪問を続けています。

 

今回は、「今話題のiPS細胞をつかって、ブタの体内でヒトの膵臓をつくる研究」を行っている、東京大学医科学研究所の中内先生を訪問しました。中内先生の研究室には2年前にも伺っていて、今回は2度目です。1度目はまるでSFの世界の話を聞いているようで「信じられない」とビックリすることばかりでしたが、今回は実用に向け進んでいる研究の成果を伺い、「糖尿病根治の選択肢の一つとして考えてもいい」と感じました。

 

患者自身が研究を正しく理解することはとても大切なことです。それにもまして、「自分の病気を治す」ためには、研究の成果を待つだけでなく、患者自身も研究者を後押し、患者だからできる力を発揮することが大切であると感じています。

 

研究室訪問は、自分の病気である1型糖尿病に関して企画していますが、「様々な病気をもつ患者」が、「専門知識をもつ研究者」とつながるためのアプローチとして、参考になれば嬉しいです。

 

1. 患者が研究者に自分たちの病気を語る (IDDM患者・MYSTAR-JAPAN代表 能勢謙介)

2. 研究者が患者に研究を語る-マウスの体内にラットの膵臓をつくる (山口助教)

3. 研究者が患者に研究を語る-ブタの体内でヒトの膵臓をつくるための準備 (中内教授)

4. 研究者と患者・家族のフリートーク 

 

研究者: 中内啓光教授、山口智之助教、大津准教授、中内研究室の研究員、学生のみなさん

訪問者: 患者6名、患者家族1名

記録: 能勢謙介、白鳥恵子、尾白登紀子   写 真:勝又ひとみ

研究室訪問3 TWIns-東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 岡野所長

1型糖尿病患者 と 研究者をつなぐ

2012年612日、日本再生医療学会の市民公開講座で「細胞シート」を使った新しい治療の話がありました。「心臓の細胞シート」は培養皿の上で拍動しています。では、「膵臓の細胞シート」は? 細胞シートを開発された岡野先生の研究所で、1型糖尿病の患者たちが話を聞きました。3回に分けてご報告します。

 

1.治らない病気をどうする? 日本の医療の問題とTWInsの試み 岡野教授のお話

2.細胞シート技術を利用した1型糖尿病治療の開発 山下助教のお話

3.質問タイムから、フリートークへ 研究者+訪問者

 

研究者:岡野光夫教授、清水達也教授、金井信夫助教、山下信吾助教、河村由美江医師

訪問者:患者6名、患者家族1名、ボランティア1

記録:白鳥恵子、尾白登紀子、写真:能勢謙介

研究室訪問2 東京大学生産科学研究所 竹内研究室

1型糖尿病患者 と 研究者をつなぐ

血糖値に応じて光の強度を変えるハイドロゲルファイバーを開発し、マウスの耳に埋め込んで4ヵ月以上血糖値を計測することに成功した、東京大学生産科学研究所の竹内准教授と興津特任准教授。

毎日の血糖管理が欠かせない1型糖尿病患者さんが、自分たちの血糖管理が改善される可能性があるのか、話を聞きに行きました。

竹内先生は2011年7月に「耳が光って血糖値を知らせ~4ヵ月以上長期埋め込みに成功~」したことを発表されています。

この訪問は、1型糖尿病の患者・家族を支援するNPO法人 日本IDDMネットワークの企画として実現しました。

訪問記は、こちらから。

研究室訪問1 東京大学医科学研究所 中内研究室

1型糖尿病患者 と 研究者をつなぐ

大型動物の体内でヒト臓器を再生する研究を行っている東京大学医科学研究所の中内教授と小林研究員。

膵臓のβ細胞が破壊されインスリンを出すことができない1型糖尿病の患者さんが、膵臓の再生の可能性について、話を聞きに行きました。

中内先生は、2010年9月に「多能性幹細胞を用いてマウスの体内でラットの膵臓を作製することに成功」したことを発表されています。

この訪問は、1型糖尿病の患者・家族を支援するNPO法人 日本IDDMネットワークの企画として実現しました。

訪問記は、こちら から